家政婦だって、恋したい
「…結衣が、鍵も忘れて大浴場に行ってんだよ。」
「あ、そうなの?じゃぁ結衣ちゃん居ないのかぁ〜残念。」
拓哉が部屋に入り、机を挟んで向かい合わせにソファに座る。
「お前も飲むか?」
俺は、机に置いていた缶ビールを手に取って一口啜る。
「いや、今は遠慮しておくよ。」
「そうか。」
二人の間に沈黙が流れる。
「あのさ、碧斗。」
何時になく、真剣な面持ちの拓哉が口を開いた。
「…なんだ?」
「お前、結衣ちゃんとヤッてないよな?」
ぶはっっ!!!
俺は飲んでいたビールを吐きだしてしまう。