家政婦だって、恋したい
コンコンコンッ。
(今度こそ結衣だろ。)
俺は拓哉に目配せ、拓哉が少し困った顔をするのを見届けつつ、扉に目をやった。
ガチャッ。
「あれ、拓哉さん。いらっしゃってたんですね。」
「結衣ちゃんおかえりー。お邪魔させてもらってるよ。」
着たときと同じ服を着ている結衣が、
拓哉に導かれるまま、部屋に入る。
「結衣、遅かったな。随分長湯だったみたいだが٠٠٠?」
時計を見ると、18時13分。
16時過ぎに出ていった筈だから、2時間も外出していたことになる。