家政婦だって、恋したい




すると、

突然肩を叩かれて、ヒャッと変な声が出てしまった。


見ると、拓哉さんが企んだような笑顔で私を見ている。

「彼氏が他の子と仲良くしてるからって、妬かないの〜」

「えっ!?や、妬いていませんよっ!」

私の意思とは関係なく、頬は赤く染まりだしてしまう。


「赤くなっちゃって可愛いねぇ。でもまぁ、心配しないくていいよ。彼氏さんは結衣ちゃんにゾッコンだからさ。」

そう言って拓哉さんはウインクした。


「た、拓哉さん…」

お客さんがいらっしゃるこの状況下では、本当のことは話せない。

これが、拓哉さんなりの気遣いなんだと理解して、私は俯くしか出来なかった。






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