家政婦だって、恋したい
「…ふぅ。」
祝賀会も無事に終わり、
私は、ロビーのソファの背凭れに身体を預けて、小さく息を吐いた。
「…碧斗さん、格好良かったなぁ。」
そっと目を瞑り、先程の凛々しい碧斗さんを思い出すと、胸の鼓動がドクドクと早くなるのが分かる。
「ゆーいちゃんっ」
頭上から声がして目を開けると、
そこには、真上から少し腰を曲げて私を覗き込む拓哉さんが居た。
「お疲れ」
拓哉さんは、私に優しく微笑む。
「あ、拓哉さん。お疲れ様です。」
私も身体を捻って、上半身だけ拓哉さんに向けながら微笑み返した。