家政婦だって、恋したい
「結衣ちゃん、御酌ばかりであんまり食べてないだろ?」
疲れが先に出て気付かなかったけれど、
拓哉さんにそう言われて、初めて自分がお腹が空いている事に気付いた。
「実は、俺も挨拶回りばかりで、あまり食べてないんだ。…碧斗なんて、もっとだろうな。」
「あ、じゃぁ私、何か買ってきますよ。」
私は勢いよく立ち上がる。
「売店はもうやっていないし、コンビニは車で15分は掛かる。夜に女の子1人で行くには危ないよ。」
腕時計を確認すると、時刻は22時37分。
祝賀会で3時間半も経っていた。