家政婦だって、恋したい
コンコンッ。
私は、いつまでも出てこない碧斗さんの部屋をノックした。
「碧斗さん…?夕食作りましたけど、食べられますか?」
もしかして寝ているのかもと思い、小声で問いかける。
すると、
どうやら起きていたらしく、すぐに扉が開いた。
「…食べる。」
碧斗さんは、今まで仕事をしていたのか、黒縁眼鏡を掛けていた。
たったそれだけの事なのに、ついドキッとしてしまう。
私はその事に悟られないよう、碧斗さんを置いて、足早にリビングに戻る。