家政婦だって、恋したい
東京の夜景がお洒落な、リビングダイニングの部屋に戻って来ると、
碧斗さんはカウンターチェアに腰掛け、
私は碧斗さんの前に、茸のデミグラスハンバーグとサラダ、カボチャのポタージュを並べた。
「…へぇ。美味そう。」
碧斗さんは、感心したように目の前の料理を見つめた。
「お飲み物は如何なさいますか?」
「じゃぁ、赤ワインで。」
私はワインクーラーを開け、碧斗さんの指差した赤ワインを取り出して、グラスに注ぐ。
「お前は?食べないの?」
「えっ?」
「ほら。」
そう言って碧斗さんは、食器棚からもう1つグラスを出し、赤ワインを注いで、私に渡してきた。