家政婦だって、恋したい
「…お前、そこまでして本当に拓哉が好きなんだな。」
俺は、左の口角をあげて笑いながら麗奈をからかうと、
今度は、カァッと頬を赤らませて俺を睨んだ。
「う、煩いわねっ!悪い?それよりも、碧斗こそ平気なの?結衣さんに誤解されちゃって。」
「…」
(誤解も何もなぁ…本当に付き合っているわけじゃないし。)
ーどうせなら、本当の事を言ってしまおうか。
麗奈なら、他の奴に言う様な事はしないだろうし。
そう思ったが、
これ以上傷付けるのも悪い気がして、無言になるしかなかった。