家政婦だって、恋したい
動揺
―結衣side―
(な、何か話さないと!)
コンビニからの帰り道、
私は拓哉さんと二人、何も話す事無く、薄らとした街灯と月明かりを頼りに、金麗花に戻っている最中だった。
碧斗さんと麗奈さんのキスシーンに、私が呆然と固まっている姿を拓哉さんに見られて、
きっと、ショックを受けたと思われていると思う。
だって、
コンビニに行くまでの間、ずっと拓哉さんは私の手を握り、時折悲しそうな、申し訳なさそうな顔を私に向けていたから。
私ったら、そんなにショックを受けている顔をしていたのだろうか?
確かに、ちょっと胸にチクッとくるものはあったが、全然気にしてはいない。