家政婦だって、恋したい
動揺

―結衣side―







(な、何か話さないと!)


コンビニからの帰り道、


私は拓哉さんと二人、何も話す事無く、薄らとした街灯と月明かりを頼りに、金麗花に戻っている最中だった。







碧斗さんと麗奈さんのキスシーンに、私が呆然と固まっている姿を拓哉さんに見られて、

きっと、ショックを受けたと思われていると思う。



だって、

コンビニに行くまでの間、ずっと拓哉さんは私の手を握り、時折悲しそうな、申し訳なさそうな顔を私に向けていたから。




私ったら、そんなにショックを受けている顔をしていたのだろうか?


確かに、ちょっと胸にチクッとくるものはあったが、全然気にしてはいない。






< 146 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop