家政婦だって、恋したい
「…何やってんだ俺。」
先程まで我を忘れて本能のままにやってしまったが、
結衣が居なくなった今、
冷静になった頭で、先程の己の行動を反省する。
しかし、
ここまで理性なく行動してしまったのは初めてで、
自分でもどうしてあんなことをしてしまったのか分からない。
ましてや、家政婦の結衣なんかに。
(どうしたんだ俺…)
…新しく家政婦を探すのも面倒だし、
俺自身、結衣の料理は気に入っているし、
文句のつけようがない仕事ぶりに、回りへの気遣い。
正直、結衣に今辞めてほしくはない。
「…どうするかな」
俺は、自分の欲求の浅はかな行動に後悔して、溜息をついた。