家政婦だって、恋したい
―碧斗side―
こいつの料理は、本当に美味しかった。
柄にもなく叫ぶほどに。
俺たちは特に話す事もなく、黙々と夕食を食べ続けた。
「緑花はこの事は知っているのか?」
俺はふと、ずっと気になっていたことを尋ねてみた。
「いえ、言っていません。」
「なんだ、あいつの差し金じゃないのか。」
緑花は俺の過去を知らないが、
妹なりに、俺の女性関係を心配しているらしい。
「ご馳走さん。」
綺麗に完食した俺は、立ち上がって風呂場に向かった。