家政婦だって、恋したい
「…なんかあったの?お二人さん。」
そんな俺たちを交互に見る拓哉。
「そ、そんな事ないですよ。」
明らかに動揺して顔を赤くしている結衣。
(バレバレ過ぎだろ…)
「ふ〜ん?」
拓哉は、結衣の反応を見ると、俺を疑いの目で見て来た。
俺はそれを無視して、黙々と朝食を食べ進める。
「…それはそうと、ごめんね結衣ちゃん。俺らに付き合ったから寝不足だよね?帰り車で寝てくれていいからね?」
結局、3時近くまで盛り上がっていた俺ら。
結衣は酒があまり強くないのか、
ビール1缶も飲まないうちにウトウトしていた。
「い、いえ、気になさらないで下さい。私もお二人の学生時代や会社のお話が聞けて楽しかったですから。」
結衣がそう言って拓哉に微笑むのを見ると、
なんだか無性に苛めたくなってきた。