家政婦だって、恋したい
「あー…麗奈は体調が優れないみたいでね。見送れない事をとても残念がっていたよ。」
(…嘘だな。)
あの麗奈に限って、
体調不良で大好きな拓哉を見送らない訳がない。
余程昨日の事が堪えたみたいだ。
「…それじゃぁ仕方ないね。俊晴さん、そろそろ俺たち帰ります。麗奈にお大事にってお伝えください。」
俺の後ろで結衣と談笑していた拓哉は、
顔は笑顔だが、声が少し苛立っている。
「あ、あぁ、すまないね拓哉くん。伝えておくよ。」
俊晴さんは、そんな拓哉の態度にタジタジだった。
そんな俺たちを見ていた結衣が、
最後に俊晴さんに深くお辞儀をすると、
俺たちは金麗花を後にした。