家政婦だって、恋したい




―――迎えた金曜日。



「何処に行きたいか考えとけ」といわれ、特に思いつかなかった私は、結局碧斗さんに任せる事にした。



「…ったく、お前の行きたいところに行くつもりだったのに、何で俺が考えなきゃいけないんだよ。」

「す、すみません…」

「ま、いいけど。ほら行くぞ。」

そう言って、碧斗さんは助手席側のドアを開ける。




今日は、ベージュのニットにジーパン、濃いめのグレーのコートを羽織った休日スタイルの碧斗さん。

夜の部屋着姿は見ているが、こういった格好はあまり見たことがない。


カジュアルな格好だが、スラッとした脚や引き締まった身体の碧斗さんを引き立たせていて、思わずドキッとしてしまう。

「宜しくお願い致します。」


私は今日1日がどんな日になるのかドキドキしながら、碧斗さんの車に乗り込んだ。






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