家政婦だって、恋したい
―碧斗side―
結衣を『ご褒美』として連れて行った、水族館から数日が経った。
都会の街も、そろそろクリスマスに向けて表情を変えていた。
「…ただいま。」
俺は一人、自分のマンションへと帰宅する。
金麗花のプレオープンが始まるまで、毎日一緒にくっついて来ていた拓哉は、めっきり来なくなっていた。
…まぁ、なんでかは想像つくけど。
「あ、碧斗さんおかえりなさいませ。早かったんですね?ご飯にされますか?」
料理を作っていたらしい結衣は、対面キッチンから俺を出迎える。
「あぁ、頼む。」
「畏まりました。」
対面キッチンの目の前のカウンターチェアに腰かけると、目の前にサラダが置かれた。