家政婦だって、恋したい
「でも、折角の碧斗さんのお休みですし、申し訳ないです…」
「そんなの気にしなくていいから。久しぶりに会いたいだろ?」
「それは、そうですが…」
「弟も連れてってやるから、連絡しておけ。」
「…ありがとうございます。」
結衣は今も納得していないみたいだったが、
正直、俺自身どうしてそこまでするのか分からない。
病に臥せっている父親の代わりに高校を中退し、学校も行かず、
家庭を支えようと頑張ってきた結衣に同情しているのかもしれない。
ただ、
小さくて華奢な体で頑張っている結衣に、何かしてあげたい。少しでも力になりたい。
――そう思ったんだ。
こうして俺たちは、結衣の父親の実家に行く事になった。