家政婦だって、恋したい





「失礼ですけど、藤崎さんは何をしてる方なんですか?」

お寿司のイカを口に頬張ろうとしていたら、泰子さんが尋ねてきた。

「…少々ホテル事業なんかをやっております。」

「えっ!?社長さん!?」

相当驚いたらしい泰子さんは、隣に座る弥江さんに「社長さんだってよ!お祖母ちゃんっ!」と肩を揺すっていた。


「社長さんとはつゆ知らず…こんな田舎料理ばかり並べて申し訳ないねぇ。」

「いえ、そんなことはありませんよ。とても美味しいです。野菜は、泰子さんやお祖母さんが作られているとお伺いしましたが、味が全然違いますね。」

ニコッと営業スマイルで本心を言うと、泰子さんとお祖母さんは嬉しそうだった。



< 179 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop