家政婦だって、恋したい
俺は勝手に、
結衣は男に慣れていないと思っていた。
だから、
あんなに色っぽく、甘く囁けるなんて思っていなかった。
予想外の出来事に、早くなった俺の鼓動は治まらず、
目の前で無防備に眠る結衣に、手を出しそうになるのをグッと堪える。
…俺も男。
いくら女が鬱陶しいからといって、本能は忘れていない訳で。
だけど、
結衣が甘く囁いたのは俺にではない。
俺は何故だか、無償に結衣を苛めたい衝動に駆られた。