家政婦だって、恋したい
「٠٠٠」
佑真はもう諦めたように、無言で食事にありついていた。
「よし!ゆうくん、お母さんとお祖父ちゃんのところ行こ!」
食事も食べ終わり、泰子さんが淹れてくれたお茶を飲みながら一息ついているところに、
食事の後片付けを手伝いにいっていた結衣が戻ってきた。
「あぁ。その前に父さんのところ顔出してくるから、先に行ってて。」
そう言うと、佑真は立ち上がる。
「わかった、じゃぁ後でね。碧斗さん、ちょっと出てきますので、ゆっくりしていてくださいね。」
俺は佑真と結衣が部屋を出て行くのを見つめる。
少し迷った後、俺も急いで立ち上がり、結衣の後を追った。
「え?碧斗さん?」
納屋で墓前に供える花を用意していた結衣が、追いかけてきた俺に驚いていた。
「俺も雇い主として挨拶しておこうと思って。」
気が付けば、そんなことを言っていた俺は、結衣から花と手に持っていた鞄を奪い取った。
「そ、そうですか٠٠٠ありがとうございます。」