家政婦だって、恋したい





{もうっ!結衣ったら、全然連絡くれないんだもん。}

「だって、緑花がデザイナーの仕事で徹夜が多いって聞いたから・・・」


緑花は、アメリカでファッションデザイナーとして活躍していて、有名なモデルや女優さんにまで個人で依頼されるほどの人気だそうだ。


{そんなの、親友と電話するくらいどうって事ないんだから!せめて、メールくらい寄越しなさいよ、もうっ!}

「はーい、ごめんなさい。」

私はクスクス笑うと、緑花は溜息を吐いた。


{・・・まぁいいわよ。それより、明後日そっち帰るから!勿論構ってよね!}

「え、そうなの?勿論お相手するけど、ちょっと仕事で日中しか無理かもしれない。」

{仕事って、家政婦のよね?相手はどう?玉の輿狙えそう?}

そう言えば、緑花にはまだ碧斗さんの家政婦になった事を伝えていなかった事を思い出した。

「あはは・・・それは会ったら言うね・・・」

{じゃぁ明後日昼付き合ってよね?}

「わ、わかった。」

明後日の待ち合わせの場所と時間を決めると、緑花との通話を切った。




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