家政婦だって、恋したい
「いいのよ緑花。私は別に、碧斗さんと付き合いたいとか、好きになってもらいたいとか、そういう事は考えていないの。まぁ、そうなってくれたら幸せなんだろうなとは思うんだけどね?・・・でも、今はただ側に居て支えてあげたいなって思っているだけ。想いを伝えられなくても私はいいの。・・・あの笑顔が、また見たいだけ。」
「結衣・・・」
「・・・勝手に想っている分には、いいよね?」
「結衣がそれでいいなら、私には止める権利はないわ。でもね、結衣の将来と、家の事を考えると、もっといい人が居るんじゃないかと思う。・・・私は結衣に、心から幸せになって欲しいのよ。」
「・・・ありがとう緑花。」
緑花は、私が父の会社の倒産で高校を中退した時から、親身に話を聞いてくれている。
お金の工面も、父に頼むと言ってくれていたが、私はそれを頑なに断っていた。
兎に角緑花は、
友達想いの優しい、私の大好きな親友なのだ。