家政婦だって、恋したい
―碧斗side―
「・・・ただいま。」
時刻は21時35分。
会議が長引いた所為で、こんな時間になってしまった。
リビングの扉を開けると、俺は目の前の光景に固まる。
「やっほ〜碧兄!お邪魔してるよ〜。」
そこには、
4歳下の妹の緑花が、結衣と一緒にワインを飲んでいた。
「あ・・・碧斗さん、お帰りなさい。」
結衣は申し訳なさそうに俺を見る。
「一体どう言う事だ?緑花、何故お前がここに居る?」
「どう言う事って、ちゃんとメールしたけど?今日碧兄のとこ泊まるねって。」
「は?」
俺はプライベートのスマホを取り出すと、メールを確認する。
・・・確かに、緑花からの着信とメールが届いていた。
「まったく、碧兄はいっつもプライベートの携帯に興味ないんだから。」
緑花は、わざとらしく大きな溜息をつくと、ワイングラスを手に取り、一口含む。