家政婦だって、恋したい





「泊まるってなんだよ。久しぶりに帰って来たんだから、実家帰れよお前。」

「嫌よ。どうせお正月まで居るんだから、今日くらい居させてくれても良いでしょう?」

(これは、駄目と言っても居座るな・・・)

そう思った俺は、「勝手にしろ」と一言言うと、コートを置きに部屋に戻る。


ルームウェアに着替え、再びリビングに来ると、
緑花の隣のカウンターテーブルに既に夕食が用意してあり、

親子丼、大根と人参の味噌汁、天ぷら
と、和食メニューが並んでいた。


黙って椅子に座ると、緑花が空のグラスを差し出して来る。

「和食にワインかよ。」とも思ったが、仕方なくグラスを受け取ると、緑花がワインを注いだ。


「今日の夕食メニューは私のチョイスだから、碧兄文句言わないでね。」

そう言うと、自分の持って居るグラスを俺のグラスに軽くぶつけた。





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