家政婦だって、恋したい



「メリークリスマースッ!!!」

緑花の合図で、一斉にクラッカーが鳴り始める。
「さぁ碧兄、今こそたーんとお上がりなさい!」
「なんで作ってないお前が偉そうなんだよ。」
「私が企画者だからです☆」
「全然偉くないからそれ。」
「私のお陰でこんなご馳走食べられるんだからね?!感謝されこそすれ、文句言われる筋合いはないわ!」
ふふんっと、ダイニングテーブルに並べられているご馳走を指差して、我が物顔で自慢気に言い張る緑花。
「早く帰れ、お前・・・」
俺は疲労困憊して切実に緑花に言った。

「碧兄最低!可愛い妹に向かって!」と何やら騒いでいる緑花を他所に、
ピンポーン。
とチャイムが鳴り響いた。

空かさず結衣がインターホンに応答し、何やら呟いている。
「やっと来たわね!」
緑花がウキウキした様子で玄関まで赴き、うるさい存在が居なくなった途端、リビングは一時の静けさが漂っていた。




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