家政婦だって、恋したい
「じゃーんっ!」
と、緑花が登場音を叫びながら、手提げ袋を携えた佑真と登場した。
「ゆうくんありがとう!」
凄く嬉しそうに笑う結衣が、佑真から手提げ袋を受け取っている姿を見て、何故か俺はイラッときた。
「ケーキっ♪ケーキっ♪」
緑花も嬉しそうに、結衣と一緒に手提げ袋の中身を開けている。
中はどうやら、クリスマス仕様のビュッシュ・ド・ノエルだった様で、足に使われた佑真は、気乗りしない様子で2人を見つめている。
「・・・お前も大変だな。」
同じ巻き添え仲間を労ろうと、佑真にシャンパンを手渡す。
「・・・あんたもか。ま、毎年の事だからもう半ば諦めてるよ。」
そう言って佑真は、シャンパンを受け取って一口飲んだ。
「ただ飾り付けて、飯食べるだけだろ?何が楽しいんだ、こんなイベント。次の日には片付けるじゃないか。」
「・・・さぁね。でもまぁ、嬉しそうなら付き合ってやろうかと思うけどね、俺は。」