家政婦だって、恋したい

「それは結衣が?」と佑真に聞こうかと思ったが、何故か聞きたくなくて、
俺は、唯「へぇ。」と素っ気なく応えた。


結局この日は、
緑花も佑真も、夜通し俺の家に居て、昔の話だったり、自分たちの近況話だったりで盛り上がり、リビングで雑魚寝をして翌朝を迎えた。

佑真は、バイトがあるからと、二日酔いの頭を抑えながら帰って行き、

緑花は、もう一眠りすると言って結衣の部屋に戻って行った。

「・・・こうなるから嫌なんだよ。」

昔からそうだ。
緑花がやりたいと言い出すことの大抵は、片付けを絶対やらない。
結局は俺か使用人、たまに母親が片付ける事になる。

「ふふふっ。良いお兄さんですね、碧斗さん。」
「・・・別にやりたかないけど、やる人が居ないんだよ。使用人も忙しいんだからな。」
「そうですね、そういう事にしておきます。」
何か勘違いされている気がするが、
結衣が笑っているから、取り敢えずそのままでいいかと、
昨日の残骸を仕方なく結衣と片付けた。




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