家政婦だって、恋したい
・・・そうだ、私は水族館に連れていってもらったあの時、誓ったんだ。
たとえ恋愛対象にならなかったとしても、
碧斗さんが私を必要としてくれているならば、
家政婦として大好きな彼の側に居続け、支えようって。
私は決意を表す様に、
泣きそうな顔で精一杯、拓哉さんに微笑んだ。
拓哉さんはそんな私を見て驚いた顔をしたけれど、直ぐに笑い返してくれた。
「結衣ちゃん、勝手なことを頼んでごめんね?」
拓哉さんをお見送りしようと、二人で廊下を歩いていると、申し訳なさそうに拓哉さんが言う。
「いいえ、それが今の私にできることなので。」
「・・・結衣ちゃんは強いなぁ。俺も俺で頑張ってみるよ。」
そう言い残し、拓哉さんは帰っていった。