家政婦だって、恋したい
碧斗さんから契約終了を告げられ、泣きながら帰ってきてから、1ヶ月が過ぎようとしていた。
あの日、ゆうくんはそんな私を見ても、何も尋ねては来なかった。
何かしていないと泣き出しそうになるため、
昼間はホテルの客室清掃と、夜は居酒屋のバイト、夜中に新聞の配達を掛け持ちして、何も考えないように日々を過ごしている。
寝る間も惜しんでバイトに没頭すること、早1ヶ月。
たった3ヵ月ちょっとという短い期間だったのに、
未だにその傷は癒えないのは、そんなのにも碧斗さんが好きだったからなのだろう。
「ゆうくん、19時からバイトだったよね?私そろそろ出ないといけないから、冷蔵庫に夕ご飯のおかず入れておくから食べてね!」
時計を見つめながら、そろそろ出ないと行けない私は、早口気味にテレビを見ているゆうくんに言う。