家政婦だって、恋したい
あの時、ちゃんと「ありがとう」と伝えていたら…
あの時、「行かないで」と言えていたら…
あの時、「大好きだよ」と言ってくれた母に、笑い返せていたら…
もうやり直しが出来ない後悔を、幾度となくやって来た。
でも、碧斗さんはちゃんと今、存在している。
後悔しても、また向き合うことが出来るんだ。
「…そうね、まだ鍵もお返ししていないし。」
私は意を決して、再び碧斗さんの元へ行くことを決めた。