家政婦だって、恋したい
その日は、一応様子見ということもあり1日入院して、翌朝には退院した。
そして、私を心配してバイトを休むと言い出したゆうくんを緑花が促し、
今、2人で碧斗さんのマンションにいる。
「…勝手に入っていいのかな?」
「いいのいいの。私、妹だし。入られたくないなら、鍵を変えておかない碧兄が悪い。」
「何か飲もうかなぁ」と勝手に冷蔵庫を開けだした緑花と同時に、ガチャッというドアの開閉の音に、家主が帰ってきたのだと知る。
「…何してる。」
「やっほ~碧兄!お邪魔してるよ。」
「お前、住居不法侵入罪で訴えるぞ。」
「だったら鍵、変えておけば?」
そういうと緑花は、イルカのキーホルダーのついた鍵を、ぶらぶらと振り回す。
それを見た碧斗さんは、聞こえるように舌打ちし、キッと緑花を睨みつけた。
「…んで?俺に何か用?」
今度は、緑花ではなく私を睨みつけながら、碧斗さんは尋ねた。