家政婦だって、恋したい



パソコンへ向けている目線を拓哉へ移すと、拓哉はまだ言葉を続けた。


「きっかけはそうだったかもしれない。…でも、一緒にいるうちにわかっただろ?この子は純粋に、自分を心配して気遣ってるんだって。」


俺はノートパソコンをバタンッと乱暴に閉じ、拓哉を睨みつける。


「…それが詐欺師だろ?相手を思い込ませ、金をふんだくる手段。」

「…結衣ちゃんが詐欺師?そんなこと、出来るような子じゃないだろ?思ってることが顔に出るタイプだし。」


「…お前、あいつをやけに庇うな?…あぁ、そういえば、『俺がもらう』とか言ってたっけ。」

俺は、金麗花で拓哉が言った言葉を思い出す。


「っ!!あれは、お前と結衣ちゃんが上手くいけばいいと思って、挑発しただけだ。あの頃のお前は、女と寝ることもなく、仕事の後すぐ帰ってたから。」

「それに俺は…」と口籠る拓哉から視線を外し、ブラインドが挙げられた窓を見遣る。





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