家政婦だって、恋したい
クラスは別だったが、体育の時間は合同だった。
その為、体育の時間になると、無意識に彼女を目で追っていた。
彼女はよく笑う子で、友達もそれなりにいる方。
授業中、対して話したこともない子が捻挫したとしても、保健室に連れていくと自ら買って出たり、
部活でも、朝練を誰よりも早く来て、ボール磨きと体育館をモップ掛けし、俺たちに良い環境でプレーして欲しいと、毎日飽きもせずやるほどのお人好し。
おまけに、一人ひとりちゃんと見てくれていて、
部活が終わると、小さな変化や良いところ悪いところを、本人に伝えてくれるような、優しい子だった。
1週間という短い期間の中で、
彼女の事が気になり、もっと知りたいと感じた俺は、
初めて恋をしたんだと自覚したのだった。