家政婦だって、恋したい
俺たちが付き合って2週間が経った頃、
”あのモテ男、藤崎碧斗に彼女が出来た”と、周囲に広まりだした。
ある日、
日直だった俺は、職員室から教室まで、授業で使う資料を運ばされていた。
すると、
俺が渡り廊下を歩いていると、
彼女が数人の女子に連れられ、体育館裏に連れて行かれそうになっていた。
俺は後を追うと、女子たちが一方的に話す声が聞こえてきた。
「ちょっとあんた、碧斗くんと別れなさいよ!私だって碧斗くんの事が好きなのに。横取りすんなっ!」
「あんたみたいな地味女、碧斗くんが好きなわけないじゃない。あんた、絶対遊ばれてるよ?」
「あなた知ってる?碧斗くんて、あの藤崎リゾートの御曹司なのよ。あなたみたいな子が付き合って良い相手じゃないの。」
あることないこと叫ぶ女子たち。
何も言えなくて俯いている彼女。
俺は、持っていた資料を握りしめ、彼女の元へと飛び出した。