家政婦だって、恋したい
「…ねぇ。俺が誰と付き合おうと、あんたたちに関係なくない?」
自分たち以外の声が聞こえ、俺の方を振り向いた女子たちは、
声の主が俺だとわかると、見てわかる程慌てだした。
「あ、碧斗くん…これは…」
「ははは…」
「わ、私たち次移動教室だから…」
そういい残すと、3人の女子たちは逃げ去っていった。
「…大丈夫か?」
俺は怯えているであろう彼女に話しかけると、
「…何が?何もされてないよ?」
彼女は何でもなかったかのように、笑顔で答えた。
俺は、その笑顔で勘違いしてしまっていたんだ。
彼女は気にしていないのだと。
だがそれ以来、
なんとなくだが、彼女は元気がなくなった様な気がしていた。
でも、
彼女は俺の前では笑顔だったし、何も言わない。
特に確信があるわけではなかったから、俺からも本人に聞く事はしなかった。