家政婦だって、恋したい
最後のチャンス
ー結衣sideー
私は何故か今、煌びやかなパウダールームに居る。
というのも、
朝早くから緑花が自宅に押しかけ、連行されたからなのだが、
ゆうくんが止めなかったところをみると、事前に連絡していたのだろうと思う。
おまけに、
バイトを休みたいと連絡をしようとしたら、既に誰かが連絡を入れていたみたいで、
かなり用意周到だ。
コンコンッ。
「はーい。」
緑花が機嫌良く扉を開けると、
拓哉さんが、白のタキシードを着て立っていた。
「お。拓兄、決まってるじゃん!」
「サンキュ。…お!結衣ちゃん、来てくれたんだ!ありがとう。」
拓哉さんは、私を見つけると飛び切りの笑顔で歓迎してくれた。
「拓兄悪いけど、私が結衣をコーディネートするんだから、主役よりも目立たせてもらうわよ!」
「…お前な、俺はいいけど、麗奈よりは目立たせないでやってくれよ?」
「善処します。」
緑花は素っ気なく答えた。