家政婦だって、恋したい




「あとは、秘密兵器が到着するのを待つだけね!」

「秘密兵器?」


私は、鏡に映るドレス姿の自分を見ながら、満足している緑花に問いかける。

と、

それとほぼ同時に、部屋にはノックの音が鳴り響いた。


「お!噂をしたら♪」


「はいはーい!」と、それはもうご機嫌の緑花は、

「じゃじゃーん!秘密兵器でーす!」
と、まるでスキップでもするんじゃないかと思うくらいのテンションで、

勢いよく扉を開ける。




すると、

バシッ!っと、緑花の頭目掛けてチョップが振り下ろされた。



「うるさいのよあんたは。」

その空手チョップの主は、

緑花と負けず劣らずの、スタイル抜群の高身長の美人さんだった。




「痛いじゃない、朱姉(あかねえ)…」

「朱姉…え、朱音さん!?」

「久しぶり~~!!結衣ちゃんっ!会いたかったわ!」



私に勢いよく抱き着いてきた、この美人な女性はなんと、

碧斗さんと緑花の姉で、藤崎家の長女:朱音(ふじさきあかね)さんだった。






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