家政婦だって、恋したい
ー碧斗sideー
とある有名ホテルのパーティ会場で俺は、
拓哉と麗奈の婚約披露パーティに来ていた。
やっとくっついたと、俺を含めた親戚中がこの婚約パーティに安堵しているのだが、
本人たちは気づいていないだろうな。
「よぉ、碧斗!来てくれたんだな。」
麗奈と二人、親戚やお偉いさん方に挨拶に回っているのだろう拓哉が、俺を見つけるとすぐにやってきた。
「当たり前だろ。藤崎家は全員参加だからな。…姉貴は来ないかもしれないが。」
「ふふっ。まぁ、朱音だしねぇ。結婚式は来ても、『結婚式だけでも面倒なのに、なんでお披露目会なんて行かなきゃいけないのよ』って、今日は来ないかもしれないわね。」
流石、姉と親友なだけあって、麗奈は本当に姉が言いそうな言葉まで理解しているようだ。
「それにしても、緑花がまだみたいね?あの子も来ないの?」
麗奈は周りをきょろきょろと見渡し、緑花を探している。