家政婦だって、恋したい
家政婦だって、恋したい
ー結衣sideー
目の前に碧斗さんが居る…
会いたかった人が今、自分の肩を抱いている。
あんなに拒絶されても尚、碧斗さんを前にすると、喜んでしまう自分が滑稽に思える。
だけど仕方がない。
それが恋なんだもの。
家政婦として、碧斗さんと過ごした日々が大切だった。
だから、最初に言われた『惚れたら即解雇』の言葉を恐れ、
好きだと自覚してもそれを告げることはせず、家政婦として側に居ようと誓った。
でも無理だった。
碧斗さんに気持ちを知られてしまい、契約は終了してしまう。
だけど、
どんなに拒絶されても、私の気持ちは変わらない。
碧斗さんが好きだ。
まだ、自分の口から好きだと言っていない。
信じてもらえないかもしれないけれど、それでも伝えたい。
もう側には居られないけれども、
それだけを言いに、今日、私はここに来た。