家政婦だって、恋したい
スイートルームに碧斗さんと2人。
こんな広い部屋に誰かと泊まる予定だったのかなと、
私ではない誰かに嫉妬し、胸が締め付けられる。
碧斗さんの話とは、一体何なのだろうか。
きっと、良い話ではないのだろうな…
それならば、
気まずくなって言えなくなる前に、私の気持ちを先に言ったほうがいいのでは?
私は、決意を固めて、碧斗さんを見つめた。
「碧斗さん…お願いです、聞き流して頂いても良いので、私の気持ちを聞いてください。」
「…結衣?」
碧斗さんが何か言い出そうにしているが、私はお構いなしに話を続ける。
「…私は碧斗さんが仰った通り、玉の輿を狙って家政婦になりました。」
私の言葉に、碧斗さんの表情が強張るのが分かる。
今はなくとも、最初に邪な気持ちがあったのは本当の事だ。
だけど私はもう、碧斗さんに隠し事はしたくはない。
正直に、今の気持ちを伝えたい。