家政婦だって、恋したい
だけど、
この温かなぬくもりも、
抱きしめられた時に掛かる息遣いも、
全てが現実だと教えてくれる。
あぁ、私…
「幸せです…」
そう言葉を漏らすと、
今度は自分から、碧斗さんに抱きついた。
「…いいんですね?…私、家政婦だけど、恋しても…」
思えば、
家政婦になったあの日、
出会った瞬間から、碧斗さんに恋していた様な気がする。
親友のお兄さんだからじゃない。
碧斗さんだからなのだと。
「お前…そこは、家政婦やめて彼女にしとけよ…」
そう笑った碧斗さんは、私に口づけた。
完