家政婦だって、恋したい
塞がれた唇
―結衣side―
碧斗さんは翌朝、39度の光熱を出した。
「碧斗、夜中に仕事してたね?」
碧斗さんが熱を出したと聞いて、出勤前の貴重な時間を割いて、拓哉さんが尋ねてきてくれた。
「…してねぇよ。」
「ちょっと間があったぞ。」
「…」
碧斗さんは、話すのも辛そうだ。
「碧斗さん、卵粥を作ったんですが、食べられそうですか?」
私は、出来たばかりのお粥を、ベッドサイドテーブルに置いた。