家政婦だって、恋したい
俺は、再び手を出さないようにと腕を組む。
「お仕置き。道具以下のくせして、ご主人様に反抗してきた罰は与えないとだろ?」
「…っ」
結衣は何か言いたいのを我慢して、大きな瞳に涙を浮かべながら、自分の唇を噛んだ。
「…何?まさかお前、初めてだったりした?」
俺がそう言うと、カァっと顔を茹蛸のように真っ赤にする結衣。
「ち、違いますっ」
すぐに結衣は訂正するが、その顔が図星だと物語っている。
「ふーん…」
俺は結衣の左頬を撫でてから、顎まで掌を滑らせ、持ち上げる。
すると、見る見る結衣の体が強張るのが分かる。