家政婦だって、恋したい
「畏まりました。夕食にカレーを作ったのですが、カレーでいいでしょうか?」
「ああ、それでいい。」
そう言うとカウンターチェアに座り、鍋を温める結衣を見つめる。
結衣が冷蔵庫からラップのかかったサラダを取り出し、炊飯器からご飯を装うのを見ていると、まだ此処に居てくれていることに安堵する。
俺の視線に気付いた結衣と一瞬目が合うが、すぐに顔を真っ赤にして逸らしてしまう。
それを見ていると、からかってやりたい衝動に駆られたが、今は空腹の方が優先だ。
俺は大人しく待つ事にした。
数秒後、温められたカレーとサラダが並べられ、「頂きます」と丁寧に手を合わせて食べ始める。