家政婦だって、恋したい
と、自分に言い聞かせて納得はしている。
でも、頭で理解はしていても、私の唇は碧斗さんの温もりを鮮明に覚えていて、近くに居るとどうしても顔を赤くしてしまう。
だから、仕事に行くといった碧斗さんを止めることが出来なかった。
「はぁ~…」
私は、リビングに掃除機を掛けながら、大きく溜息を吐く。
(私、ファーストキスだったのになぁ…)
私だって女だ。
初めてのキスは、もう少しロマンチックなキスがしたかった。
あんな強引なものではなく…
「はぁぁ~~…」
私は先程よりも長く、溜息を吐いた。