家政婦だって、恋したい
―碧斗side―
今日から住み込み家政婦としてやって来た女は、4歳離れた妹・緑花の友達、加住結衣だった。
結衣とは、緑花が高1の頃、家に遊びに来た時に少し挨拶した程度。
なのに、雇い主が俺だと分かった瞬間、何やら怯えだした結衣。
(緑花のやつ、変なこと言いやがったな…)
一通り家の中を案内して、
俺たちは、東京の名所を一望出来る、リビングダイニングに戻ってきた。
「…何?俺がお前に手を出すかもしれないって怯えてんの?」
俺は痺れを切らして、こっちを見ようとしない結衣に尋ねた。
「い、いえっ!滅相も御座いません!」
「じゃぁ何?」
俺は、ジリジリと結衣に近づく。