家政婦だって、恋したい
「もうっ!ゆうくん。もう少し静かに扉を開けて。」
私は、慌てるゆうくんを余所に叱りつける。
「結衣っ!いつも言うけど、何で電話でねぇんだよっ!何で2日も男の家に泊まってんだっ!」
「…ゆうくん落ち着いて」
「良いから答えろっ!」
私は、ガスコンロの火を止めて、お皿に綺麗な楕円のドームを作る。
「…仕事中だったし、ゆうくんが辞めろっていうのが目に見えてたから。泊まったのは、住み込みの家政婦だからよ。」
手を止める事なく、ゆうくんに答える私。
「はぁっ!?住み込みってお前っ…」
「家政婦には良くある事よ?」
私は卵を溶きながら、ゆうくんを見つめて言った。