家政婦だって、恋したい



「え…弟?」

信じられなかったのか、拓哉が確認するように尋ねる。


「はい。弟の佑真(ゆうま)です。」


(…何だ、弟か。)



俺は再び、二人をまじまじと見る。




よく見れば、似ていないこともない。


しかし、異性の姉弟(きょうだい)だと、なかなか言われないと分からないものだ。






「…結衣、なんで言うんだよ。」

不服そうに眉を寄せて、佑真は言う。


「弟の愚行を謝るのは、姉として当然です。」

「姉貴面すんなっ!結衣のくせに。」

「いいじゃない。本当の事なんだから。」

そう結衣が言うと、今まで煩かった弟が、急に黙りだした。



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