家政婦だって、恋したい
だけど、
いくら弟でも、勝手に結衣を辞めさせるなんて許さない。
「弟君には申し訳ないが、結衣は今俺の家政婦で、辞めさせるかどうかを決めるのは、雇い主である俺だ。」
俺は挑発するように佑真に言う。
「知るか、そんな事っ!」
それを分かってか、佑真は眉間に皺を寄せて俺を鋭く睨みつける。
傍から見たら、俺たちの間には、バチバチと火花を散らしているように見えるだろう。
「…加住佑真?何処かで聞いたような…」
ずっと考え込んでいたらしい拓哉は、突然この場にそぐわない発言をしだした。