家政婦だって、恋したい
「期待させておいて悪いが、俺は女を性欲を吐き出す物としか見ていない。そして、お前はそれ以下の立場で、俺に雇われている事を忘れるなよ。」
俺は冷たく言い放つ。
「期待なんかしておりませんっ!分かっています!」
結衣は、心外だといわんばかりに眉間に皺を寄せ、真っ赤な顔をして俺に怒っている。
不謹慎ながらも、俺は口元が緩み、フッと笑ってしまった。
「…何が可笑しいんですか?」
そんな俺の態度にも怒っている結衣が、不覚にも可愛く思えてしまった。
「別に。分かっているならいい。…言っておくけど、俺に惚れたら即解雇。お前が俺を好きそうだと判断した時点で、即解雇だ。分かったな。」
そう言って俺は、レザーソファから立ち上がり、自分の部屋へと歩く。