家政婦だって、恋したい



「家政婦として連れていくのが嫌なら、恋人役として連れて行けばいいだろう?他の人たちも、奥さんやお子さんを連れて来るわけだし。社長のお前が恋人を連れてきた事で、誰も責めはしないと思うが?」

(こ、恋人!?)

私は驚いて、碧斗さんの向こう側に座る拓哉さんを見る。

拓哉さんはいつもの明るい口調だが、その表情は真剣そのものだった。


「恋人?…有りえない。」

碧斗さんは、ハッと鼻で笑う。



ズキッ。

心のどこかで鈍い音が聞こえた気がしたが、私は気付かないフリをした。




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